ルドンー秘密の花園、三菱一号館美術館

三菱一号館美術館で開催されている「ルドンー秘密の花園展」にいってきました。写真は美術館から許可をいただき撮影しています。

三菱一号館に足を運ぶたびに、収蔵されている大きな花瓶に生けられた花の絵《グラン・ブーケ(大きな花束)》をみてきました。私は、この作品がきっかけでルドンを知り、淡く優しい色彩に親しみを感じていました。

《グラン・ブーケ(大きな花束)》

オディロン・ルドン(1840年-1916年)は、フランスの画家で、1840年、ボルドーの葡萄園地主の息子として生れます。20歳ごろから画家を志し、植物学者クラヴォー、銅版画家プレダンの指導を受け、黒を基調とした幻想的な版画を描き、40歳を越えて認められます。1870年、普仏戦争に従軍。1890年前後から色彩ゆたかなパステル画を描き始め、1916年、パリにて死去。印象派と同時期に活躍しながら、それとは異なる独特な幻想的な作品を残しました。

今回の展覧会で、この《グラン・ブーケ》が、16点から構成されるドムシー男爵の城館の食堂壁画の1点であることを知りました。ロベール・ド・ドムシー男爵は、1893年以来の熱心なルドンの作品の蒐集家として知られており、城館の壁画をルドンに依頼しました。現在、オルセー美術館に収蔵されている残り15点の作品が今回来日しています。

この城館の食堂を飾った壁画が、一同に会することはとても珍しく、貴重な機会となるのではないでしょうか。パリでも味わえないことが、ここ東京で味わえるなんて!と興奮してしまいました。

また、今回の展覧会では、ルドンのモノクロの作品や素描の作品も多数、出品されていて、ルドンの全体を知る良い機会になりました。

 

■開催概要
会期 2018年2月8日(木)~5月20日(日)
開館時間 10:00~18:00(祝日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は21:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜日(但し、祝日の場合、5/14とトークフリーデーの2/26、3/26は開館)
主催 三菱一号館美術館 / 日本経済新聞社
特別協力 オルセー美術館
後援 在日フランス大使館 / アンスティチュ・フランセ日本
協賛 大日本印刷
協力 Lufthansa Cargo AG / 全日本空輸株式会社
お問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)

詳細は美術館ホームページ
http://mimt.jp/redon/

 

<関連論文>
国立西洋美術館出版物リポジトリ

●呼び交わす人物と背景
–オディロン・ルドンの《ロ ベール・ド・ドムシー男爵夫人の肖像》に見る象徴 主義絵画の隠喩的構造
喜多崎 親
国立西洋美術館研究紀要,(4),7-26 (2000-03)
https://nmwa.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=90&item_no=1&page_id=13&block_id=21

●日本所在のルドンの作品――デッサン・パステル・油彩画――
黒江 光彦
国立西洋美術館年報,3,2-31 (1969-03-31)
https://nmwa.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=648&item_no=1&page_id=13&block_id=21

 

<参考図書>