美術館でお花見!山種美術館にて

山種美術館で開催中の[企画展]桜 さくら SAKURA 2018 -美術館でお花見- をみてきました。この展覧会は、春に合わせて、桜が描かれた作品を厳選し紹介するものです。来館者に一味違った美術館でのお花見を味合わせてくれる企画展となっています。
※写真は美術館の許可をいただいて撮影しています。
※トップページは松岡映丘《春光春衣》(一部)1917(大正6)年 絹本・彩色 山種美術館

左から
松岡映丘《春光春衣》1917(大正6)年 絹本・彩色 山種美術館
菱田春草《桜下美人図》1894(明治27)年 絹本・彩色 山種美術館
上村松園《桜可里》1926‐29(昭和元-4)年頃 絹本・彩色 山種美術館
菊池契月《桜狩》1934(昭和9)年 絹本・彩色 山種美術館

 

満開の桜をみていると、本当に言葉もなく美しくていつまでも見ていたいと思います。ですが、その心持の反面、もっともっと深く楽しむにはどうしたらいいのだろう、独り占めできたらいいのに・・・などとよく考えていました。とても欲張りなお話なのですが、今回の企画展ではあることを感じました。

左)奥村土牛《京都花の寺(写生)》1968(昭和43)年 紙本・彩色

速水御舟《道成寺入相桜(写生1)》1929(昭和4)年 紙本・彩色 山種美術館

それは、画家が描く桜の写生をみて、華やかさに惑わされることなく対象を描くことの真摯さに強く心を打たれたのです。当然のことなのですが、画家が桜の美しさに浮かれているだけでは絵を描くことはできません。

小野竹喬《春野秋溪のうち「春野」》1944(昭和19)年 絹本・彩色 山種美術館

そこで、桜の見方をもっと工夫してみたら、これまでとは違う、深い桜の楽しみ方が出来るのではないかと考えました。例えば少しデッサンをしてみる、また絵をみながら和歌や俳句を詠んでみる。何かもう一つ、桜の傍らで行動を起こしてみたら、深い味わいが得られるかもしれません。

土田麦僊《大原女》1915(大正4)年 紗本金地・彩色 山種美術館

一方で、美術館においては、私たちがもっている桜の記憶を反芻させながら、目の前にある絵の世界を味わってみると、より絵の世界に入り込むことができると思いました。また、実際の桜の木の下においては、描かれた世界をイメージしながら、もしここがあの絵の世界ならどんなことが起きるかな・・・などと思い巡らすのもよいかもしれません。

奥村土牛《醍醐》1972(昭和47)年 紙本・彩色 山種美術館

桜の花を楽しむことができる時期は限られますが、その時だけ様々な世界を行き来することができる。そんな醍醐味が春にはあるようです。ぜひ、美術館でのお花見も楽しんでいただけたらと思います。

 

[企画展]桜 さくら SAKURA 2018 -美術館でお花見-

美術館ホームページ http://www.yamatane-museum.jp/

会期: 2018年3月10日(土)~5月6日(日)
会場: 山種美術館
主催: 山種美術館、朝日新聞社
開館時間: 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日: 月曜日[但し、4/30(月)、5/1(火)は開館]
入館料: 一般1000円(800円)・大高生800円(700円)・中学生以下無料

※( )内は20名以上の団体料金および前売料金。
※障がい者手帳、被爆者健康手帳をご提示の方、およびその介助者(1名)は無料。