全員巨匠!フィリップス・コレクション展 三菱一号館美術館

三菱一号館美術館で開催中のフィリップス・コレクション展にいってきました。
※写真は美術館より許可をいただき撮影しています。

フィリップス・コレクションは、アメリカで最初の近代美術を美術館としてワシントンに開館。今年、創立100年を迎えます。

創設者のダンカン・フィリップスは、米国ペンシルベニア州の鉄鋼王ジェームズ・ラフリンを祖父に持ち、エール大学在学中から美術に深い関心を持ち、卒業後、本格的に絵画の収集と美術評論の著作活動を行います。1917年に父親を、1918年に兄ジムを相次いで亡くし、亡き父と兄を称える美術館、フィリップス・メモリアル・アート・ギャラリーを私邸に開館。1921年より一般公開します。同年、画家であるマージョリー・アッカーと結婚し、彼女と共に、印象派の絵画や存命の芸術家たちの作品をくつろいだ雰囲気の中で鑑賞できる場を作り上げました。

フィリップスは1966年に亡くなりましたが、彼の精神はフィリップス・コレクションに受け継がれ、現在、同コレクションは4,000点以上の作品を所蔵しています。

フィリップス・コレクション
https://www.phillipscollection.org/

さて、今回の展覧会ですが、全員巨匠!とあるとおり、どの作品をみても歓声と感嘆が止まらない名品揃いです。また、展示も贅沢で、作家やモチーフの比較ができるように展示されていて、いろいろな観点から作品を鑑賞できます。

 

左)オノレ・ドーミエ 三人の法律家 1855-57 油彩/カンヴァス   1920年収蔵
中)ウジェーヌ・ドラクロワ パガニーニ 油彩/厚紙(板に貼付) 1922年収蔵
右)クロード・モネ ヴェトゥイユへの道 1879年 油彩/カンヴァス 1920年収蔵

 

また、三菱一号館美術館のよいところですが、もともとが洋館を活かしていますので、暖炉の上など、私邸を改築して作られたフィリップス・コレクションと通じるものがあり、味わいが深まるように感じました。

ジャン・シメオン・シャルダン プラムを持った鉢と桃、水差し 1728年頃 油彩/カンヴァス 1920年収蔵

 

コレクションが構成された当時のアメリカの経済成長が背景にあるかと思いますが、コレクション全体から躍動感を感じます。まさに、近代美術の黎明の雰囲気をそのまま切り取ったかのような勢いを感じました。まさに、アメリカが文化のパトロンとなった、そんな時代の勢いを感じることができます。

左)ピエール・ボナール 犬を抱く女 1922年 油彩/カンヴァス 1925年収蔵
右)ベルト・モリゾ 二人の少女 1894年 油彩/カンヴァス 1925年収蔵

 

左)ポール・セザンヌ 自画像 1878-80年 油彩/カンヴァス 1928年収蔵
中)エドゥアール・ヴュイヤール 新聞 1896-98年 油彩/厚紙 1929年収蔵
右)エドゥアール・マネ スペイン舞踊 1862年 油彩/カンヴァス 1928年収蔵

エドガー・ドガ 稽古する踊り子 1880年代はじめ-1990年頃 油彩/カンヴァス 1944年収蔵

左)モーリス・ユトリロ テルトル広場 1911年 油彩/厚紙 1953年収蔵
右)ジョルジュ・モランディ 静物 1953年 油彩/カンヴァス 1954年収蔵

アンリ・ルソー ノートル・ダム 1909年 油彩/カンヴァス 1930年収蔵

ラウル・デュフィ 画家のアトリエ 1935年 油彩/カンヴァス 1944年収蔵

左)ポール・セザンヌ ベルヴュの野 1892-95年 油彩/カンヴァス 1940年収蔵
右)ポール・セザンヌ ザクロと洋梨のあるショウガ壺 1893年 油彩/カンヴァス 1939年寄贈

左)アメデオ・モディリアーニ エレナ・パヴォロスキー 1917年 油彩/カンヴァス 1949年収蔵
中)ドミニク・アングル 水浴の女(小) 1826年 油彩/カンヴァス1948年収蔵
右)フィンセント・ファン・ゴッホ 道路工夫 1889年 油彩/カンヴァス 1949年収蔵

 

左)アルベルト・ジャコメッティ モニュメンタルな頭部 1960年 ブロンズ 1962年収蔵
右)ジョルジュ・ブラック 鳥 1956年 油彩/カンヴァス 1966年収蔵

 

■展覧会情報
会期  :2018年10月17日(水)〜2019年2月11日(月・祝)
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで(祝日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は21:00まで)
休館日 :月曜日(但し、祝日・振替休日の場合、会期最終週とトークフリーデーの10/29、11/26、1/28は開館)
   年末年始(12/31、1/1)
主催  :三菱一号館美術館、フィリップス・コレクション、読売新聞社、日本テレビ放送網
後援  :アメリカ大使館
協賛  :大日本印刷
協力  :全日本空輸、日本貨物航空
お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)

美術館ホームページ
https://mimt.jp/