速水御舟の魅力

【山種美術館 広尾開館10周年記念特別展】生誕125年記念 速水御舟
の内覧会に行ってきました。
※写真は美術館より許可をいただき撮影しています。また、すべての作品は山種美術館の所蔵です。

速水御舟のコレクションで知られる山種美術館。この特別展では前期・後期にわけて 120点に上る全コレクションが展示されます。
速水御舟が17歳の時に描いた『瘤取之図』をみて感嘆しました。 若くから画才を認められていたことは知っていましたが、それでもやはり驚きました。

速水御舟《瘤取之巻》(部分)1911(明治44)年 紙本・墨画 ※期間中に巻替あり

さて、速水御舟の絵のすごさは何かと考えてみました。《紅梅・白梅》 をみて思ったのですが、若い枝を少し緑がかって描いていることに気づきました。小学校の理科の時間に、公園の木を観察したことを思い出しました。確かに若い枝はあのような渋い緑色をしていたのです。こうして実際の枝のように描き、奥行きもつくっていくのだと思いました。日本画には形があるのでしょうが、それを超越して質感をリアルを描かれていて、その中に、植物や生き物の「意思ある生命力」を感じました。
その後、「意思ある生命力」を意識して作品をみてみると、例えば、有名な《炎舞》という作品からは、炎や蛾の羽の音が聞こえてくるようでした。
鑑賞の仕方はそれぞれと思いますし、優劣をつけるものでもありませんが、自分なりの作品の向き合い方をいろいろと試してみると、良いかと思いました。まさか、100年もさきに、自身の作品がそんなふうに鑑賞されるとは画家も想像はしていなかったかもしれませんが。でも、いつまでも多くの人に愛されるコレクションであってほしいです。

速水御舟《紅梅・白梅》1929(昭和4)年 絹本・彩色
速水御舟《名樹散椿》【重要文化財】1929(昭和4)年 紙本金地・彩色
※前期 7月7日までの展示
美術館併設のカフェ「Cafe椿」で期間中に提供される青山の老舗菓匠「菊家」さんの和菓子

【特別展概要】
 会期: 2019年6月8日(土)~8月4日(日)
     ※会期中、一部展示替えあり(前期: 6/8-7/7、後期: 7/9-8/4)
 会場: 山種美術館
 主催: 山種美術館、日本経済新聞社
 開館時間: 午前10時〜午後5時 (入館は午後4時30分まで)
 休館日: 月曜日[但し、7/15(月・祝)は開館、7/16(火)は休館]
 入館料: 一般1200円(1000円)・大高生900円(800円)・中学生以下無料
 

 山種美術館  http://www.yamatane-museum.jp/