[企画展]日本美術院創立120年記念 日本画の挑戦者たちー大観・春草・古径・御舟ー/山種美術館

山種美術館で開催されている、[企画展]日本美術院創立120年記念 日本画の挑戦者たちー大観・春草・古径・御舟ー を鑑賞してきました。(写真は美術館より許可をいただき撮影しています。記事で紹介する作品はすべて山種美術館の所蔵です。)

岡倉天心にはじまる日本美術院の創立120年を記念し、同院の歴史を飾った画家たちの作品が紹介されています。

横山大観《喜撰山》1919(大正8)年 紙本・彩色

横山大観《燕山の巻》(部分)1910(明治43)年 紙本・墨画

速水御舟の作品が多く展示されていました。描いた時の年齢に着目してみると、その時々にどんな変化があったのだろうか、そんなことに思いめぐらしました。

右から
23歳 ⇒ 速水御舟《山科秋》1917(大正6)年 絹本・彩色 (展示期間10月14日まで)
29歳 ⇒ 速水御舟《柿》1923(大正12)年 紙本・彩色
30歳 ⇒ 速水御舟《春昼》1924(大正13)年 絹本・彩色(展示期間10月14日まで)
40歳 ⇒ 速水御舟《牡丹花(墨牡丹)》1934(昭和9)年 紙本・墨画彩色
37歳 ⇒ 速水御舟《和蘭陀菊図》1931(昭和6)年 絹本・彩色

 

小林古径の《清姫》1930(昭和8)年 紙本・墨画・彩色

小林古径の《清姫》の連作も、《旅立》のシンプルな線描にアニメーションの動画をイメージしてみたり、《日高川》や《鐘巻》の絵の中に僧・安珍や清姫のセリフを想像しました。

左)安田靫彦《出陣の舞》1970(昭和45)年 紙本・彩色
右)安田靫彦《平泉の義経》1965(昭和40)年 紙本・彩色

また、主に戦後から活躍する画家たちが、新たな題材にも取り組んでいます。今年、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録されましたが、その天草の情景を長年描き続けている画家がいることを知りました。

小山 硬《天草(洗礼)》1972(昭和47)年 紙本・彩色

山種美術館では、日本画の新たな創造に努める優秀な画家の発掘と育成を目指した公募展「Seed 山種美術館 日本画アワード2019」の開催を予定していますが、画壇の動きと美術館の取り組みが相まって、日本画の世界を広げていってくれたらと思います。

【展覧会概要】
会期:2018年9月15日(土)~11月11日(日)
※会期中、一部展示替えあり
会場:山種美術館
主催:山種美術館、日本経済新聞社
開館時間:午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日[但し、9/17(月)、24(月)、10/8(月)は開館、9/18(火)、25(火)、10/9(火)は休館]
入館料:一般1000円(800円)・大高生800円(700円)・中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金および前売料金。
※障がい者手帳、被爆者健康手帳をご提示の方、およびその介助者(1名)は無料。

美術館公式ホームページ
http://www.yamatane-museum.jp/