日曜美術館で紹介されていたギュスターヴ・モロー展に行ってきました

日曜美術館(NHK教育)で、このサイトでも紹介したギュスターヴ・モローの展覧会が取り上げられていたので、パナソニック汐留美術館に行ってきました。

フランス象徴主義の巨匠ギュスターヴ・モロー(1862~1898)は、今は彼の美術館となっているパリのアトリエで、母親や恋人からの慈愛につつまれながら、聖書やギリシャ神話をおもな題材に想像と幻想の世界を描きました。今回の展覧会でも、サロメを描いた「出現」のような男性を死へと導くファム・ファタル(宿命の女)や、誘惑され破滅へと導かれる危うい存在としての女性を描いた作品が紹介されています。

何枚かのサロメ、何枚かのメッサリーナといった具合にそれぞれの主題に対して数枚の作品を見比べていると、それぞれ同じ主題でありながらも、1枚1枚ごとにその女性の心理には違いがあるように感じました。例えば、もっともっと強欲なサロメ、自らの運命に不安を感じるサロメといった具合に。また、モローの色彩の中で、青系の色がとても印象的で、この青系の色が、幻想の世界から現実世界への橋渡しをしてくれているようにも感じました。

作品の収蔵先のギュスターヴ・モロー美術館の様子が映像で紹介されていましたが、その中でピンクの壁にたくさんの作品が展示されている部屋がありました。展示室でも、同様にピンク壁のコーナーがあったり、アンティークの調度品が置かれていたりして、パリの美術館の雰囲気を楽しむことができるようにも工夫がされています。

豆知識ですが、ギュスターヴ・モロー美術館が初のフランス国立の個人美術館として運営されるときの初代館長はモローの愛弟子のルオーだったそうです。パナソニック汐留美術館には、ルオー・ギャラリーがあるので両方の作品を鑑賞できることも本展の魅力です。

 

■□■   ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち   ■□■

開館期間 2019年4月6日(土)~6月23日(日)
開館時間 午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
※5月10日(金)と6月7日(金)は午後8時まで(ご入館は午後7時30分まで)
休館日  水曜日(但し5月1日、6月5日、12日、19日は開館)
入館料  一般:1,000円 65歳以上:900円 大学生:700円
中・高校生:500円 小学生以下:無料
20名以上の団体:各100円割引
障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料で入館可能
※5月18日(土)国際博物館の日はすべての方が入館無料です。
主 催  パナソニック汐留美術館、NHK、NHKプロモーション、読売新聞社
後 援  在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、港区教育委員会
協 賛  光村印刷
協 力  日本航空
特別協力 ギュスターヴ・モロー美術館
公式サイト https://panasonic.co.jp/ls/museum/exhibition/19/190406/

 

 

【参考】モローとルソーに関する書籍