
上の森美術館で開かれている石川九楊大全展に行ってきました。
書をやっている友人・知人を思い出しながら、書ってどんなものなんだろう、そんなことを思いながら観ました。石川九楊氏の作品に、俳人の河東碧梧桐(かわひがしへきごとう)の俳句を書で表現している作品があります。それを観て「文字をモチーフにして描いている」そんな言葉が浮かびました。そしてまた、「どんな文字や文章であっても表現出来ないものはない」とも言われているように感じました。
会場には、石川九楊氏の書籍や講演の原稿も展示されていました。精緻に記述された公開講座などの原稿や論評の校正の様子などを知ることができます。読みくたびれるようなそんな展示ではありますが、不思議と力が湧いてくる。そんなパワーがあふれる展示のように感じました。一方で、人が書くことを辞めた後に何が残るのだろうか、そんな漠然とした不安を覚えました。この文章もそうですが、ついついキーボードから打ち込んでいますが、手書きの中に潜む創造力のようなものを我々は失おうとしている、そんな警鐘も氏は発しているようにも思えたのです。氏から学びを得た学生さんたちが羨ましい・・・。


