【山種美術館 広尾開館10周年記念特別展】東山魁夷の青・奥田元宗の赤-色で読み解く日本画-

山種美術館で開催されている【山種美術館 広尾開館10周年記念特別展】東山魁夷の青・奥田元宗の赤-色で読み解く日本画- 展にいってきました。
(写真は美術館の許可をいただき撮影しています。掲載している作品はすべて山種美術館所蔵の作品です)

左)奥田元宗《奥入瀬(秋)》1983(昭和58)年 紙本・彩色
右)川端龍子 《黒潮》1932(昭和7)年 絹本・彩色

特に今回の特別展では、それぞれの作家に象徴される色に着目して、東山魁夷の青、奥田元宗の赤、このほか、金や銀、黒、白といった具合に、色彩に軸をおいて展示作品が構成されています。

左)竹内栖鳳《雨中山水》1932(昭和7)年頃 紙本・墨画
右)川合玉堂《雨後山月》1948(昭和23)年 絹本・墨画淡彩

日常の光は透明で、あらゆる色を包含している。だから、一つの色に印象づけられるようなことはない。でも、こうした情景は、確かに「色」で語られていて、私たちの記憶や印象にも、色の影響が大きいことに気づいた。
確かにそれはそうで、秋の奥入瀬だって、年を越そうとしている京の街並みだって、もしその場所に実際にいて、あとで記憶をたどうろしたら、それは色彩につつまれたイメージが思い浮かぶだろう。作品をみながらもっと貪欲に色彩を深呼吸をするように吸収してみたいと思った。

左)橋本関雪《夏日富嶽》1925(大正14)年 絹本・彩色
右)東山魁夷《年暮る》1968(昭和43)年 紙本・彩色

やっぱり東山魁夷の《年暮る》は好きだ。こうして山種美術館で出会えて嬉しい作品の一つ。どこかの町のどこかの家で自分が生活をしているような、そんな気持ちになる。人間の限られた寿命の中で、際限なく冬を繰り返し過ごすことはできないけれど、自分が味わいたい、あるいは享受しているであろう生活を何度も何度も、どこかの家の屋根の下で過ごしたり、何かの気持ちを背負って路地を歩いてみたい。そんな想像をくりかえしてしまう。

ぜひぜひ味わっていただきたい日本画の世界。特別展の詳細は美術館のホームページをご覧ください。

山種美術館
http://www.yamatane-museum.jp/

会期: 2019年11月2日(土)~12月22日(日)
会場: 山種美術館
主催: 山種美術館、日本経済新聞社
協賛: SMBC日興証券
協力: 谷中得応軒
開館時間: 午前10時〜午後5時 (入館は午後4時30分まで)
休館日: 月曜日[但し、11/4(月)は開館、11/5(火)は休館、12/23~1/2は展示替と年末年始休館]
入館料: 一般1200円(1000円)・大高生900円(800円)・中学生以下無料

※( )内は20名以上の団体料金および前売料金。
※障がい者手帳、被爆者健康手帳をご提示の方、およびその介助者(1名)は無料。

主な出品作品: 赤: 柴田是真《円窓鐘馗》、奥田元宋《奥入瀬(秋)》 青: 東山魁夷《年暮る》、宮廻正明《水花火(螺)》 黄: 竹内栖鳳《鴨雛》、小林古径《果子》 緑: 山口蓬春《卓上》、東山魁夷《緑潤う》 白: 千住博《松風荘襖絵習作》 黒: 奥村土牛《舞妓》 金: 小林古径《秌采》 銀: 田渕俊夫《輪中の村》 ほか 約50点

※全て山種美術館蔵 
※出品内容には変更が入る場合あり