静嘉堂文庫美術館で開催中の「挿絵本の楽しみ~響き合う文字と絵の世界~」展をみてきました。会場風景を許可いただいて撮影しています。
挿絵というと、とても身近で地味なものにも感じるのですが、今回この展示に足を運んでみると、足が震えるような感動がありました。
慶応義塾大学斯道文庫が所蔵する「仏説仁王護国般若波羅蜜多経」(南宋時代)をみていると、このような経本が多くあって仏教が伝播してきたことに想いを巡らしました。科挙の合格者名簿であったり、絵巻物であったり、それぞれ伝えるという意思のもと、文字に挿絵が添えられて、その使命を果たしてきたのです。著作や作成に携わった人の命は絶えているけれども、その内容はここに残っている。そして、私たちが享受している文明も、それらを礎にしていることを感じたからです。
こうした視点から展示をまとめられている点がとても良いなと思いました。
名称:挿絵本の楽しみ 〜響き合う文字と絵の世界〜
会期:2017年4月15日(土)~5月28日(日)
休館日:毎週月曜日
開館時間:午前10時~午後4時30分(入場は午後4時まで)
入館料:一般1,000円、大高生700円、中学生以下無料 ※団体割引は20名以上